恐ろしく効果的!?ホラー映画がブランド想起を促す
こんにちは。シネブリッジの中村です。人気のジャンルとして確立されているホラー映画。ブランドセーフティの概念から、タイアップやシネアドなど、ブランドのプロモーションには不向きと思われていましたが、実は、ホラー映画は、Z世代とのコミュニケーンの機会を提供しているというのです。
日本でも『変な家』の大ヒットなども記憶に新しく、ホラーは若い世代からの人気の高いジャンルとなっています。
恐ろしく効果的
ブリティッシュコロンビア大学の研究によると、映画館で強い恐怖感や孤独感を経験した観客は、映画館への関心度が高まり、スクリーンに映し出されたブランドを思い出す能力が高まることが明らかになったのだそうです。
そもそもシネアド(映画館CM)は、他のメディアよりも一貫して記憶力と個人的な関与度が高いことが証明されています。
若年層に多いホラーファンは、日常生活の一部として冒険やスリルを求める傾向があり、新しい製品やトレンドに対してもオープンな姿勢をとっています。
ビーバータウン・ブルワリー
これまで、ホラー映画を使ったシネアドはあまり実施されていませんでしたが、革新的かつ破壊的なマーケティングを行っている、ロンドンで人気のブルワリー、ビーバータウン・ブルワリーが、昨年(2023年)『ソウX』 と 『エクソシスト:ビリーバー』にあわせて本編直前となるプレミアムポジション「ゴールド・スポット」でシネアドを展開。
ハロウィーンをテーマにアニメーションCMを制作。物語の主人公が「ワールドエンド・インターナショナル」へと飛び立つまでの一連の恐ろしく不幸な出来事を描き、ブランドを訴求しました。
バーガーキング
マクドナルドと飽くなき広告合戦を繰り広げるバーガーキングは、殺人ピエロ、ペニーワイズを描いた『IT イット “それ”が見えたら、終わり。』のプレミア上映会でサプライズ・プロモーションを実施。
本編上映後、エンドロールが流れる直前に「ピエロを信じるな。」というメッセージと自社のロゴを映し出すというもの。映画のストーリーに上手く乗っかったプロモーションで大きな話題を呼びました。
Phones4U(携帯電話小売業)
過去には、携帯電話会社Phones4が、映画「Ring」にインスパイアされたCMを展開。地下駐車場に現れた青白い顔の少女が、携帯電話で入手できる特典についてささやくというもの。
「私たちのセールを逃すと、あなたは悩まされるでしょう」というホラー映画を連想させるキャッチコピーで、強烈な印象を残すことに成功しました。
ハインツ
ハインツは、自社商品が毎年ハロウィンの仮装用に血のり代わりに使われていることに着目し、人気のインフルエンサーを起用し、吸血鬼インフルエンサーとして、仲間の吸血鬼にメッセージを届けるCM「ベジタリアン・バンパイア」を展開。ハロウィンのタイミングにホラー映画というジャンルを上手く利用したCMでケチャップ業界大手の存在感を示しました。
忘れられないほどの力強さ
このように、敬遠されがちなホラー映画でも、記憶に残る独創的でインパクトのあるキャンペーンを作成する機会が数多く存在しています。
今後、若い世代とのコミュニケーションを図りたいブランドにとって、ホラー映画は見過ごすにはもったいないジャンルとなりそうです。