2024年の映画興行を総括。映画興収ランキングTOP10&2025年の注目映画
こんにちは、映画広告専門代理店、シネブリッジの中村です。今年も多くのヒット作が生まれた映画業界。皆さんは映画館で何本映画をご覧になりましたか?今年はどのような作品がヒットしたのか?2024年の映画興収ランキングをまとめました。今年の映画興行を振り返りながら、来年注目の作品をご紹介します。
2024年映画興行
┗ 2024年映画興収TOP10
2023年に続き、アニメが好調な成績を残した2024年。また、興収10億以上(※12/16現在推定見込)の作品で見てみると、邦画のシェアが79.5%と、2023年に続き邦画人気が高かった一年となりました。
中でも実写が健闘。「キングダム 大将軍の帰還」(興収80億円)、「ラストマイル」(興収59.3億円〜)、「変な家」(興収50.5億円)と3作品が50億円を突破する大ヒットとなりました。しかしながら、興収10億以上を記録した作品で見てみると、興収シェアはアニメが57.1%とアニメ人気がさらに顕著となった1年でした。
┗ 「アニメ」からメガヒット作が生まれる時代へ
2020年公開の「鬼滅の刃」をきっかけに、コロナ禍以降アニメ映画人気が高まっています。「アバター」、「アリス・イン・ワンダーランド」といったハリウッド洋画大作が興収100億円を突破した2010年からのアニメと実写の興収割合推移(※興収10億以上作品対象)を見てみると、アニメの興収が5割を超えてきており、興収100億の大台突破が見込まれるポテンシャルを持った作品が「アニメ作品」に移行してきているのがわかります。
┗ 興収上位10作品 来場者年代比
上位10作品に来場した来場者を年代別に見てみると、10代〜20代が58%と、若い世代から支持を得た作品がヒットとなっていることが明らかになりました。近年、ヒットの拡大において、口コミやSNSが重要な役割を果たしている結果と言えます。
┗ ODS作品『ルックバック』が新機軸のヒット
2024年の映画業界で話題を呼んだのが、『チェンソーマン』で知られる藤本タツキ原作の読み切り漫画を映画化した『ルックバック』です。
上映時間58分=「ODS」作品
「ルックバック」は、上映時間が58分と通常の映画に比べると短い作品になっており、映画の分類も「ODS」といういわゆる非映画作品として公開されました。
作品のポテンシャルの高さから、公開後はXでトレンドにもなるなど口コミでも話題に。119館で公開後すぐに拡大公開され、ロングランヒットとなりました。
1時間未満、かつ料金は一律1700円というチャレンジングな公開ながら、2024年の映画業界の中で新機軸のヒットを打ち出した作品となりました。
┗ シェアード・ユニバースで描かれた『ラストマイル』
「ラストマイル」で注目された「シェアード・ユニバース」という世界観。人気ドラマ「アンナチュラル」、「MIU404」と同じ世界線で物語が描かれているという点が大きな話題を呼びました。
多くのキャラクターや物語が交錯するため、ファンが喜ぶような仕掛けを施したことでもファン熱が高まった1つであり、SNS時代の映画の楽しみ方を提供した作品でもありました。
さらに、映画のヒットと合わせて、NETFLIXで配信中の「アンナチュラル」や「MIU404」も再生回数が上位にランキングされるなど、大きな反響を呼びました。
特定のキャラクターやジャンルにとどまらず、さまざまな作品が繋がることで、ファン層のすそ野を広げる大きな役割を果たす「シェアード・ユニバース」で描かれる作品が、今後も増えてくるかもしれませんね。
2025年公開映画 注目作
さて、来年はどんな作品が公開され話題となるのか?2025年のラインナップを見ていきましょう。
┗ 邦画アニメ
今年も「名探偵コナン」が公開されるほか、「劇場版「鬼滅の刃」無限城編」の公開も決定しており、2025年もアニメからメガヒット作が生まれることは間違いなさそうです。
┗ 邦画実写
邦画実写も話題作品がが次々と公開されます。救命医療ドラマを映画化した「TOKYO MER」の続編をはじめ、新海誠監督の名作アニメを実写化する「秒速5センチメートル」、さらに東野圭吾原作×福山雅治主演で贈る「ブラック・ショーマン」など注目作が目白押しです。
┗ 洋画アニメ
動物たちが高度文明社会で暮ら姿を描き大ヒットした「ズートピア」続編や、ピクサー最新作「星つなぎのエリオ」、スパイダーマンをマルチバースの世界で描き人気のアニメシリーズ最新作「スパイダーマン:ビヨンド・ザ・スパイダーバース」の公開が控えています。アニメ人気の高い日本でのヒットは間違いないと言えるでしょう。
┗ 洋画実写
さて、邦画に押され気味の洋画ですが、2025年はタイトルを聞くだけで期待が高まる大ヒットシリーズ最新作の公開が多く控えています。また春に公開される「ウィキッド ふたりの魔女」は既にミュージカル劇を原作とした映画の北米興収記録を更新中と評価も高く、日本でもヒットが期待されます。2025年は洋画人気も復活する一年となりそうです。
以上、2024年の映画興行と2025年の注目作品についてご紹介しました。映画館は、ただ映画を観るだけでなく、体験型エンタメ施設としても人気の映画館。2025年も、多くの作品が観る人々の心を揺さぶり、感動を届けてくれること間違いなさそうです。