【2023年上半期】国内シネアドのトレンドを総括。
こんにちは、シネブリッジのマーケティング担当中村です。2023年も半年が終了。アフターコロナ元年として、映画業界の上半期は、前年を上回る好調な成績を記録しました。
上半期の国内のシネアド(映画館CM)のトレンドはどうだったのでしょうか?今年1月に弊社が発表した「2023年のシネアドのトレンド予測」をおさらいしながら、上半期どうだったか?ここまでの答え合わせをしてみましょう。
トレンド予測1
ラグジュアリーブランドの出稿が継続的に
2023年上半期は、予測通り、ラグジュアリーブランドが継続的にシネアドを出稿。多くのブランドが、映画予告編後の1社限定枠=ゴールド・スポット(GS)での出稿となりました。これまで「洋画」での出稿が多かった業種でしたが、昨年から「日本映画の実写」のみならず「アニメ」でもラグジュアリーブランドがシネアド出稿をすることが多くなりました。日本アニメーションの海外での爆発的人気が後押しをしていると言えそうです。
「ブランドの世界観を魅力的に再現できる “プレミアム動画メディア” 」としてラグジュアリーブランドに多く利用されているシネアド。下半期にもブランドの世界観と合致しやすい話題大作の公開が続々と控えており、下半期もラグジュアリーブランドの出稿が続くと予測されます。
トレンド予測2
ゲームや玩具、TV番宣、関連書籍・BDなどの出稿が伸びる
アニメ人気が顕著となった上半期。関連商品や、タイアップ企業などの出稿が相次ぎました。日本生まれの人気キャラクター「スーパーマリオ」も大ヒット。併せて映画予告編後のGSで上映された任天堂のCM「It's You Mario」は、CMから本編に繋がる流れが「ムネアツ過ぎる」「映画館でしかできない体験」とSNSでも大きな話題を呼びました。下半期にも『劇場版 SPY×FAMILY CODE: White』『ミステリと言う勿れ』など、既にファンを獲得している作品の公開が予定されており、下半期も同様のシネアド出稿は続くと予測されます。
トレンド予測3
海外の政府観光局や国内観光誘致、エアラインなどのシネアドが回復
国内の景気回復を観光業が後押しした2023年上半期。需要期のGWに向けたシネアド出稿や、全国旅行支援などを謳ったシネアドなどが活況。訪日外国人も増え、観光ムードが一気に高まっている中、下半期も”アクティブな映画鑑賞者”に向けてシネアドを上映する広告主が増えそうです。
トレンド予測4
環境問題を意識した企業広告の出稿が増加
SDG’sに関心が高いZ世代を含む「若年層」や就職活動を控えた学生などをターゲットとして認知度アップを狙ったと考えられるシネアドが2022年末から増加傾向で、2023年も引き続き増えると予測しました。上半期には、東洋紡が4分というストーリー性のある長尺CMを展開し、SNSなどで大きな反響を呼びました。
また、現在TOHOシネマズでシネアドをレギュラー上映しているJERAは、7月2日よりTOHOシネマズで毎週日曜日の映画が割引になる「JERAサンデイ」をスタート。映画製作や映画館からも環境を意識した取り組みが始まっており、さらに環境を意識した企業広告のシネアドが増えると予測されます。
トレンド予測5
映画館メディアの環境を活かしたプレミアムなシネアドが出てくる
映画館という特別なメディア環境を活かしたシネアドが増える兆しが見えている中、上半期には日本ロレックスが、ドルビーアドモスを使用したプレミアムなシネアドをゴールド・スポットで展開しました。
上半期にはプレミアムな環境を活かしたシネアド事例は多くなかったものの、PLFと呼ばれる「ラージ・フォーマット」での鑑賞がトレンドになっている現在、忘れられない映画体験と共に、忘れられないブランド体験を創り出す広告主が増えることは間違いなさそうです。
2023年シネマ広告費は前年比2.1%の成長予測
先日(2023年6月1日)、電通グループから発表された最新の「世界の広告費成長率予測(2023~2025)」によると、2023年のシネマ広告費は前年比2.1%の成長率予測となっています。日常が戻ってきた我々の生活に欠かせない「映画というエンターテインメント」を楽しむ人々に向けたシネアドの出稿は下半期も伸びることが予想されます。
以上、「2023年のシネアドのトレンド予測」との上半期の答え合わせでした。下半期も「ミッション:インポッシブル/デッドレコニング PART ONE」から「劇場版 SPY×FAMILY CODE: White」まで幅広い話題作の公開が控えています。もし映画館に足を運んだらシネアドにも是非注目してみてくださいね。